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執筆者の写真globe-architects

現場レポートvol.1    地盤改良(木杭工法)

更新日:2019年8月27日


建築工事の現場では、日々様々な工事が行われます。

ここでは自分自身の備忘録として、実際の建築工事現場の作業を<現場レポート>としてなるべく詳しく記録していきたいと思います。軽井沢南ヶ丘パッシブハウスの例です。

vol.1は、地盤改良工事です。正式には、環境パイルS工法と言います。

新築工事を行う場合、まず初めにその場所の地盤の強度を調査します。強度が足りない場合、この地盤改良工事を行うことになり、適切な改良方法を検討することになります。

調査書の診断では、住宅の地盤改良で一般的な「柱状改良」が適切との判定。しかし、この柱状改良は、簡単に言うと地中にコンクリートの塊を埋設する方法。最終的に、地中内に産業廃棄物となる巨大な柱を何本も埋め込むことになり、30年後か50年後にもし住宅を立て直すという場合には、負の遺産になりかねないということでした。

そこで今回の木杭による地盤改良を選択することになりました。

柱状改良と異なり仕組みは、単純です。適切に管理され、特別に処理された木杭を、地中の硬い支持層まで打ち込んでいきます。そう、環境に優しい工法という訳です。木杭に認証という文字が見えますよね?

ちなみに、木材って腐らないの??と、思いますが大丈夫です。しっかりと防腐処理されていますし、地中は酸素がなく物が腐らないので、何十年も持つのだそうです。安心ですね。

地盤調査により、地中にある支持層まで打ち込んでいく木杭は5m。18cmほどの木杭を、専用のクレーンで引き上げ、決められた場所に打ち込む作業が始まります。横に付いたドリルで打ち込む場所の近くを掘り込んでから、その反力を使って木杭を打ち込んでいくそうです。(いまいち、そのあたりの物理学はわかりませんが。。。)

クレーンを操作する人と、木杭をセットする人との息のあった作業は、どんどん進んでいきます。大変な作業だと思いますが、簡単に見えてしまうのはお見事です。

巨大なクレーンによる作業の裏では、もう一つの作業が進んでいました。打ち込んだ木杭の長さの調節です。支持層は、真っ平らなものではもちろんありません。数十本打ち込む木杭の入り方は様々ですから、決められた高さになるよう、ここからは手作業によるカットとなります。木杭の廻りの土を掘り起こしての作業は、土まみれ。お疲れ様です〜!

この円盤はなあに?CDではありませんよ〜!

このステンレス製の円盤は、切り落とした木杭の上に止めつけていくものです。木杭は、防腐処理が施されていますが、切り落とした断面にさらに現場で防腐処理を施し、この円盤で蓋をするように止めつけていました。

このあとの工程で、根切りを行う際に木杭の先を傷めないよう保護しているそう。次の工程がやりやすいように準備して、バトンタッチしていくのですね〜。知りませんでした!

そうこうしているうちにも、打ち込み作業が進んでいました。この日、午前中の作業で全ての木杭の打ち込みが完了。早い!午後からは、さきほどの長さの調整と小口の処理を続けていくそうです。

役目を終えた、クレーンは帰り仕度です。数トンある体を支柱とクレーンそのもので支えつつ、本体を宙にうかしての方向転換は、トランスフォーマーさながらの迫力。世界のコマツやるな〜。

次回は、基礎工事になる予定です。お楽しみに〜!

globe

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