建築工事の現場では、 日々様々な工事が行われます。ここでは自分自身の備忘録として、実際の建築工事現場の作業を<現場レポート>としてなるべく詳しく記録していきたいと思います。軽井沢南ヶ丘パッシブハウスの例です。
今回は気密測定(本番前のプレ測定)です。
この気密測定は、ドイツの認定機関のパッシブハウス認定資料の中で最も重要な資料の一つ。定められた条件下で一定の数値を実測でだすという、施工者にとっても大変緊張感のある検査となります。
<参考:パッシブハウス認定基準とは>
・50Pa時に、減圧法・加圧法でそれぞれの漏気回数0.6以下。
(C値換算=0.2㎝2/m2以下)
・気密測定に使用される気積:内部ボード仕上内側の気積
この日の天気は、小雪のぱらつく曇天。
測定担当のM氏によれば、気密測定に影響はないそうです。良かった〜。
施工会社さん、測定会社さんなど総勢7名+設計で測定準備を見守ります。
測定は、2階のバルコニーのドアの開口部を使います。
建物内部の様子。
タイベックという調湿性のある気密シートが、隙間なく貼られています。
前日には、東京からも施工会社の方が応援に来て、現場監督と共に、入念に気密を確認され隅々まで丁寧に手直してくださったそうです。細かな隙間さえ測定に影響しますので。
この気密については、施工会社さんと共に、何度も話し合いを重ね方法を検討してきました。また、気密シートを扱うメーカーのN氏にも様々なアドバイスをいただきました。最終的には、施工者の丁寧な仕事次第ということで、さ〜どうなることか。。
丁寧にやった!という自信とは裏腹に、少しハラハラしている施工会社の皆さん。
もちろん、私もドキドキです。。。
結果は最終的に、漏気回数0.28、C値0.13 という数値をたたきだしました!!
パッシブハウスを何度も経験している方にも、難しいよ〜と言われていただけに、本当に良かった!!パッシブハウス認定に向け、さらに大きく前進できました。
実は、初回は、0.38でしたが、あまりに簡単にクリアしたことで何かの間違いかと思ってしまったほど。。。C値が0.21だったこともあり、コンサル会社さんに電話確認をしているうちに、現場の皆で、内部を見直すぞ〜とさらなる隙間埋めがスタート。結果、このような数値になったという訳です。
なにはともあれ、現場の皆様本当にお疲れさまでした。施工途中に厳しくも的確なアドバイズをくださったM氏や気密についての指導をしていただいたメーカーのN氏、感謝、感謝です。なにより丁寧な施工、本当にありがとうございました。
今後の参考に、、、
隙間を見つける優秀なツールのご紹介。
Gupo Flex(ギュッポフレックス)です。
測定会社さんの気密のスペシャリストM氏にご用意いただきました。
隙間のありそうな箇所に吹き付けると、外部からの空気侵入でシャボン玉ができるという単純な仕掛けです。でも、とってもわかりやすく、見つけやすいですよね。
この樹脂窓の名誉のために説明しておくと、通常このように空気の侵入はないです。あくまでも、50Pa(パスカル)という気圧をかけての測定で、このように空気を引っ張っているだけなのです。
しかし、このあと窓の蝶番に調整をかけて、このあと更に改善されました。
ちょっとしたことで、変わるんだね〜と現場でも皆興味深々でした。
さらに、外壁との貫通部なども、再度丁寧にテープ処理を施し、ぐんと性能UPしたことで、気密性能の”コツ"をここにいる皆で共有できたような気がします。
今回は、設計者・施工者ともに初めての、パッシブハウスレベルの気密性能への挑戦でした。プレ測定ではありますが、本番に向け手応え十分でホッとしました〜。
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