旧軽井沢近くの雲場池(2020年3月15日朝)
軽井沢南ヶ丘パッシブハウス・森のカフェ🌿に来てくださった皆様
パッシブハウスにご興味を持ってくださった皆様
こんにちは。GLOBE ARCHITECTSの菊地宏子です。
ここ最近、コロナウイルスの影響でイベントの中止が相次いだり移動が制限されたりと不安で不便な日々が続いていますね。これまでの国内での災害と違い世界レベルでの危機であり経済にも多くの影響が及び、先が見えないのでますます不安が募るという悪循環になっています。GLOBEでも3月に予定されていた建築家の方々が集まる勉強会が延期になったり、設計中の住宅の設備機器の納期が不明だったりと少なからず影響が出始めています。ただこういう時こそ冷静に、自分がやるべきことをしっかり行うことを心がけたいと思っています。
さて今回のエッセイは~3.11をきっかけに~です。
今月3/11はあの悲劇から9年。この3.11の悲劇が、私の人生に大きなきっかけを与えました。もともとインテリアデザイナーだった私が、なぜ建築家に転身したのか。パッシブハウスの家づくりに取り組むことになったかをお話しします。
少し長いエッセイになりますので、お時間ありましたら~。
2020年3月のレター🌿もぜひ最後までお付き合いくださいね。
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◆【軽井沢南ヶ丘パッシブハウス】レター3月号CONTENTS◆
🌿パッシブハウスエッセイ~~3.11をきっかけに~~
🌿軽井沢南ヶ丘パッシブハウスの見学会&個別相談会・森のカフェ🌿インフォメーション
🌿軽井沢南ヶ丘パッシブハウス内に、軽井沢アトリエ開設しました!
🌿森のカフェ🍃のひょっこりはん🌿
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🌿パッシブハウスエッセイ~~3.11をきっかけに~~
2018年竣工の軽井沢南ヶ丘パッシブハウス
3月11日。東日本大震災から9年。
今でも、あの日、あの瞬間のことをはっきりと記憶している方も多いのではないでしょうか。大地震、その後の津波によって引き起こされた災害、そして福島第一原発での事故。あの時期、日本人の精神状態は私を含めこれまで経験したことのない大きな恐怖と不安を感じ夜も眠れない日々を送った方も多いことでしょう。
それから始まるエネルギー消費の自粛。。。真っ暗闇の風景。。。
(私が暮らしている渋谷の街も静まり返り真っ暗な街へと一変しました。)
そしてその頃から、インテリアデザインの仕事をしている私にさえ、いろいろな方からエネルギーに関することを聞かれることが多くなりました。例えば、、、、。太陽光発電にすると自分が使用する電気をどのくらい賄えるのか?今暮らしている住宅の設備をどのようにしたら、省エネルギーにできるのか?家を建てる時に、エネルギーについてどう考えてつくればよいのか?などなど。。。日頃から省エネにそれほど関心がなかった人も、この時期だけはそれはそれは真剣にエネルギーのことを考え何が自分にできるのかを模索していたように思います。
そして、先ほどの質問ですが。。。
当時の私には、その問いに一つとしてまとも答えられるものはありませんでした。
私はこれまでインテリアデザインを仕事として取り組んできた中で、見てくれだけではない、地球環境にも配慮したエコロジーデザインに取り組んできた自負がありました。オーガニックな自然素材だけで作る家具づくりに取り組んだこともあります。できる限り自然素材(無垢材や石や和紙など)だけで空間デザインを構成する提案を多くしてきました。
しかし、この未曾有の災害を前にした時、こんな私に何か出来ることはないか?
と自問自答した時に、これまでのキャリアはすぐには役に立たず、寄せられた質問に一つとして答えられない自分に愕然としました。この災害によって、私自身も周りの人も少しナーバスになっていたのかも知れないなと今は思えますが。
そこで私は、もう一度勉強し直す時期ではないかと考え、思い切って建築の基本を学ぶために通信制の大学に入学(正確には編入)することにしました。45歳の時です。そしてその学びの中で、パッシブデザインという概念に出会うことになります。通信制の大学と言いましたが、4年制大学のカリキュラムを全て消化して卒業になるため(一部免除はありますが)それなりのボリュームの課題があったり通学して授業を受けるスクーリングというものもあり、仕事をしながら課題とスクーリングをバランスよくスケジュール通りにこなすのは思っていたよりハードでした。(ちなみに入学式に300名ほどいた学部生が卒業時には30名ほどになっています。)在学中、インテリアに限らず建築物そのもの、付帯する設備や周辺環境を考慮してのエネルギー計画なども含めトータルで設計する仕事がしたいと思うようになりました。そして卒業。今後の業務に役立つかもと若い仲間に混じって二級建築士資格を取得しておきました。
そこからは自分でも驚く実行力を発揮します(笑)。
自然エネルギーを最大限に利用し環境に負荷をかけずに快適に暮らせるパッシブハウスを設計する仕事がしたい。それには、一番近道で学べる場所に自分の身を置くしかないと考え、パッシブハウス・ジャパン(PHJ)の代表理事の森みわ氏の設計事務所 キーアーキテクツの門を叩くことになります。2015年の秋です。(今でも大切な私のパッシブハウスの師匠です。)今冷静に考えると40代後半の私がなんとも大それたことをしたものだ。と思いますが、その時の自分のモチベーション(もしくは使命感?)はものすごかったのだと思いますし、何よりその思いを受け止めてくださったキーアーキテクツの森代表はじめ社員の皆様の寛容さが本当に有り難かったのです。
そして一年間という短くも濃厚な修行生活が始まり(自分のインテリアの会社の業務も並行していました。)、建築のイロハを同時に学びつつ、パッシブハウスの概念やパッシブハウスを作る手法などを学ばさせて頂きました。そのわずか一年という期間に学んだ多くのこと(学びきれないほどの新しい知識をたくさん授けてくださいました)とこれまでのインテリアデザインの仕事で培った経験を総動員してまずは自分自身がパッシブハウスの暮らしを体験するための自邸「軽井沢南ヶ丘パッシブハウス」の設計を2017年に開始、2018年に竣工となりました。そしてこのレターを読んでくださっている皆様が知る今に至るわけです。
正直、2011年3月11日前の私は、これまでの仕事のやり方に物足りなさを感じていたのかも知れません。自分がやるべきことを出来ていないのではないか。と感じていたのだと思います。この3.11という強烈な災害によってもたらされた悲劇は計り知れないものですしまだまだ復興は道半ばです。しかしこの強烈な経験が私に大きな気づきを与えました。この災害によって浮き彫りになった原子力に依存した社会に対して設計者として自分のやるべきことが分かったのです。
現在私は、5年前に思い描いた夢(自然エネルギーを最大限に利用し環境に負荷をかけずに快適に暮らせるパッシブハウスを設計する仕事がしたい)が叶い、パッシブハウスの住宅設計とコンサルティング、そして森のカフェでパッシブハウスの素晴らしさと必要性を伝える普及活動を行なっています。
そんな私は毎年3月に思いを新たにします。
私一人にできることは、本当に小さな小さなことです。しかし誰もが安全に暮らせるために、これからも住宅設計を通して自分のやるべき役割をしっかりと続けていきたいと思います。
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🌿軽井沢南ヶ丘パッシブハウスの見学会&個別相談会・森のカフェ🌿イベント情報など
【軽井沢南ヶ丘パッシブハウス見学会&個別相談会のご案内】
開催日時:2020年3月28日(土) 16:00~17:30 受付中
2020年3月29日(日) 10:00~11:30 受付中 *この日は日曜日の午前中です!
開催場所:軽井沢南ヶ丘パッシブハウス
1組あたりのお時間は90分で予定しています。
基本的には毎月2回 土曜日の夕方16時から開催する予定です。
▽内容
・軽井沢南ヶ丘パッシブハウス内部と外部の見学と説明
・パッシブハウスの概要説明
・必要があれば個別のご相談など(なんでも聞いてください。)
一般の方向けの個別相談会です。形式にこだわらずにラフに行う予定ですので、
ご興味をお持ちの方はぜひお気軽にお申込みくださいね。
▽お申込み方法
このアドレスにご連絡ください。こちらからの返信をもちましてご予約確定とさせて頂きます。
興味があるだけで、パッシブハウスを建てる予定がない方でもOKです。お気軽にお申し込みください。
▼パッシブハウスを建設希望の方の設計ご依頼について
パッシブハウスを建設予定の方で設計のご依頼やご相談などございましたら、別途日程の調整にて見学することももちろん可能です。
どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ~。
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🌿軽井沢南ヶ丘パッシブハウス内に、軽井沢アトリエ開設しました!
昨年9月より、軽井沢での業務をスムーズに行う目的で軽井沢アトリエを開設いたしました。
GLOBE ARCHITECTS| 有限会社グローブ二級建築士事務所
軽井沢アトリエ 長野県北佐久郡軽井沢町大字軽井沢1052-662
今後は、パッシブハウス建築設計とコンサルティングのお仕事は軽井沢アトリエを中心に行い、東京は、代官山オフィスとして、デザインのお仕事やその他のお仕事の拠点としていく予定です。
最近は、大変ありがたいことに軽井沢での設計のご依頼が増え、在軽比率が高まっています。(笑)お近くにお越しの際は、ぜひご一報くださいね。
これからの季節は軽井沢らしい瑞々しい季節になりますよ~~🌿
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🌿森のカフェ🍃のひょっこりはん🌿
森のカフェ・マスターのタカです。
4月までの間冬季お休みをいただいているのは前回ご報告いたしましたが、このお休みを利用して森のカフェ樹木のメンテナンスをしました。
きっかけは昨年10月の台風19号。長野県にも多くの被害をもたらしたあの超すごい台風です。北陸新幹線の車両基地の浸水や千曲川にかかる幾つかの橋が流されたりしたのは、皆さんの記憶にもあると思います。
物凄い風に揺れる樹々や、倒れてしまった大木を目の当たりにして自然の脅威をすごく感じましたので、森のカフェもメンテナンスしなきゃと思っていました。
縁あって、樹々のことを熟知する木こりさんにお願いすることができました。森のカフェの雰囲気が変わらないように、上の方だけを上手にカットしてもらいました。
カットした樹は、薪ストーブの薪に活用して循環させようと思い、中古のチェーンソーを手に入れて薪作りに挑戦!
30cmに玉切りした樹を乾燥が早く進むように薪割りしましたが、思いの外松ヤニが凄くて作業手袋がベタベタに。田舎暮らし初心者のタカマスターにとっては初体験ばかりですが、肘痛や腰痛にならないよう気をつけながら楽しんでやっていきたいと思っています。薪割りしたい人!どうぞお知らせください。楽しいよ!
森の様子が変わってしまった事で一番心配していたのは、日本リスのりっぴーが来なくなってしまうのでは・・・・・という事。
でも大丈夫でした。いつものように来てくれて、ひまわりの種を頬張っていましたよ。
森のカフェは4月に再開します。
軽井沢にお越しの際は是非お立ち寄りくださいね。
森のカフェ🌿マスタータカ
🌿森のカフェ 軽井沢南ヶ丘🌿営業案内
4月2日まで冬季休業しております。営業再開は4月3日を予定しております。
詳しくは下記のHPおよびFacebookページをご覧くださいませ。
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最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございます。
今月は今年着工のパッシブハウスの基本設計が完了。4月OPENの軽井沢のカフェ(森のカフェではありませんよ!)のプランもまとまり一段落したところです。森のカフェも冬季休業中ということで、先週末、今週末は久しぶりに静かな(逆にアクティブな?)週末を送りました。
とはいえ、コロナウイルスによる不安定な状況も続いていますので、気を引き締めて引き続き体調管理に努めたいと思います。
皆様もどうぞ十分にお気をつけくださいませ。
GLOBE ARCHITECTS 菊地宏子
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